PROJECT

SPACE TRANSFORMER — 変換器としての空間

意識を外に広げると、どこまでも広がる宇宙空間の存在を感じます。
意識を私たちの内に向けると、深遠な空間が広がっています。
このマクロコスモスとミクロコスモスは、分離することなく繋がり共存しています。
ミクロコスモス ー 私たちは、肉体を内包するエネルギーの存在であり、
マクロコスモス ー 大宇宙の一部です。
ミクロコスモスがマクロコスモスと調和しているとき、
からだ、心、魂が統合され、そこは心安らぐ居場所となります。
つまり、自分自身が安心できる場そのものとなるのです。

すぐれた建築物やインテリア空間は、単に風雨を凌げ、便利で快適だという機能を持っているだけではなく、真の美をもって、人を変容させる力を備えている。
このような空間を訪れるたび、TRANSFORMER(変換器)のようだと感じてきた。
中でも、1997年に友人の両親の案内で訪れた南フランスのル・トロネ修道院は格別だった。このプロヴァンスの山中にひっそりと佇んでいるシトー会の修道院は、多くの建築家を魅了してやまないことでも有名でである。

2007年、私は、もう一度再体験するべく、辺境へ

向かった。教会建築と修道院、同じキリスト教の

建物でも内部での経験はまるで異なる。
建築家・都市計画研究者のAlbert Lévyが宗教建築

を考察、分析した著作タイトルを

 “Les Machines à faire-croire” 
(「信仰させる機械」)としたように、

それらはどちらも神への畏怖を感じる場として

作られる。
古代末期から中世にかけて政治権力を握った教会は、

思わず神に平伏す荘厳な空間を建設した。修道院は、

文字通り修道の場にふさわしい、内へ向かわせる静謐な

エネルギーで満たされ、神への献身を促す。

空間が効果的に働くことで、それぞれの役割を果たす。
隠された意図があったとしても、人が宇宙のハーモニーとチューニングし、自分自身を取り戻せるという点で、まさに、TRANSFORMERとして機能している。

はじめに紹介した文は、私が数年に渡り仕事としてきたクリアリングのセッションやクラスを行う上でのコンセプトである。
心身の状態を内側から整えることは、心地よく毎日を過ごす上で不可欠。同時に、私たちを取り巻く外側の諸条件 ー 社会、人間関係、環境の状態も多大に関係している。
生活するための住居や職場や学校などの「場」を整えることは、もちろん大事なことである。